医学書の選び方、買い方、保管の仕方【裁断・スキャンの仕方も】

医学書 裁断 スキャン 自炊
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はじめに:医学生や医師、参考書買いすぎ問題

この記事では、医学生や若手医師向けに、医学書のお得な買い方、選び方、保管の仕方(自炊)について、自宅にある大量の医学書のレビューをしている内科医夫婦が解説します。
医学生や医師は、ついつい医学書を買いすぎてしまい、ありすぎて読み切れない(=積読)という状態が多発します。理由として、以下3つが考えられます。

① 買うときの金銭的なハードルが低い

内科医夫婦(夫)

同年代と比較し給与もよいため、金銭感覚がマヒしてしまい、(税金のことを考慮せず)一回のバイトで何が買えるか考えがち。本当に必要かはよく考えてから購入を。

② まじめな人が多い

内科医夫婦(妻)

本を買って勉強することに抵抗を感じない人が多いですね。

③ 新しい知識がどんどん出てくるため情報のアップデートが必要

内科医夫婦(夫)

医学は日進月歩。これらはもう仕方がないので、特に若いうちは経験が浅い分を本から得られる知見でカバーするべきと思います。

気をつけようがあるのは、①のみです。次に医学書が本当に必要な場面について考えました。

医学書の選び方

そもそも現在はup to dateや論文、個人や病院のホープページ等を参照すればインターネットで調べることができるのに、紙の医学書(あるいは電子書籍)をわざわざ買って読む理由はあるのかを再考しました。
医師が必要な本は下記に大きく分類されると考えています。

① 調べていると治療が遅れてしまうこと(救急で使う知識)
② 本を読みながらではできない手術や手技の手順(主に外科)
③ 著者の考え方を学び真似る、専門家が要約した該当領域のエッセンスを学ぶ(主に内科)
④ 自分の専門領域の辞書的な本(疾患のアトラス、ガイドラインなど)
⑤ 自分の専門領域の最新の情報を得るための雑誌的な本(月刊●●的なもの)

内科医夫婦(妻)

買おうとしている本がどれに分類されるか検討すれば、本当に必要か吟味するヒントになりそうです。

③は、例えばリウマチ膠原病内科の國松淳和先生や萩野昇先生、感染症内科の岩田健太郎先生の本などが思い浮かびます。④や⑤はインターネットで代用可能かもしれませんが、あくまで専門分野はこうした本が何かと必要かなと思っています。

当ブログでは内科系の分野を中心におすすめの参考書を多数紹介しているので、購入の際に参考にしてください。

お得な医学書の買い方

Amazonがおすすめです。品揃え、ポイントシステムが特に優秀です。
プライム会員になれば送料無料なので我が家ではよく使っています。

医学書の裁断・スキャン(自炊)

購入した医学書が増えていったとき、場所を取るのが困る場合、裁断し、スキャンするという方法があります。
いわゆる自炊です。ここから、おすすめの自炊の手順を紹介します。

おすすめの裁断⇒スキャンの手順です。

著作権に関して
第三者によるスキャンは著作権上問題がある一方、
自身or業者による裁断⇒自身でスキャン⇒個人的な利用 という範疇であれば問題ないようです。

裁断:業者(裁断ブックマート)に依頼
スキャン:スキャナー(ScanSnap iX1600) を購入して自分でスキャン
という方法を取りました。以下で詳しく解説します。

医学書の裁断

医学書の裁断は、
①裁断機を購入する
②裁断を業者に依頼する

の大きく2通り考えられますが、

  • 医学書は様々な装丁の者があるため、業者の方が確実にキレイに裁断してくれる
  • 裁断機が自宅で場所を取る

などの理由から、裁断は裁断ブックマートという業者へ依頼しました。

裁断ブックマートは、大判の本を含め医学書全般の裁断に対応してくれます。
100冊以上の依頼で、55円/冊の値段で行ってくれます。また、20冊以上で送料無料です。
裁断を依頼する際の本の回収サービス(クロネコヤマト)も行っており、便利です。

内科医夫婦(夫)

A4より大きい海外のWHO分類の本も裁断してくれました。

内科医夫婦(妻)

裁断面の出来栄えも非常にきれいで、スキャンに際してトラブルはありませんでした。

なお、今回紹介した裁断ブックマートはスキャナーのレンタルも行っています。
個人的にはスキャナーは購入することをお勧めしますが、レンタルがよいという方はご利用ください。

今回紹介した裁断ブックマート以外にも、カットブックプロという業者もあるようです。

医学書のスキャン

スキャンに関しては
①スキャナーを購入する
②スキャナーをレンタルする
(スキャンを依頼する⇒著作権的にNG)

の2通り考えられますが、

  • レンタルの期間内に終わらないリスクがある(仕事が忙しく予定通りにスキャンできない可能性がある。延長料金がかかる)
  • レンタル商品は型落ちのことが多い
  • レンタルしたい時期にレンタルできるかわからない
  • スキャナーは自炊後も一定の利用価値がある

などの理由から私たちはスキャナーを購入することとしました。

スキャナーはScanSnap iX1600がおすすめです。

2022年9月現在、さとふるScanSnap iX1600が返礼品として入手できます。

コンパクトなサイズであるのがこのスキャナーのメリットです。
スキャン後に場所を取っては本末転倒ですが、画像の通りとてもコンパクトです。

自宅の本棚に入れた scan snap iX1600とiPad mini
内科医夫婦(夫)

画像の本棚はもともと30冊程度の医学書が入っていた段です。

一度にセットできる枚数は50枚程度で、1枚あたり両面スキャンで1秒程度で終わります。
医学書一冊を約200ページくらいとすると、3分程度で完了することになります。
1冊ごとにPDFに保存できます。
スキャンの性能はとてもよく、OCR機能が備わっており、検索の際に便利です。

OCRとはOptical Character Recognitionの略で、紙に書かれている文字を、コンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術のことです。

以前のタイプではOCR機能があってもうまく読めていなかったりすることもあったようですが、このスキャナーでは完全ではないもののPDFで読んだときに文字の検索をするくらいには問題なく使えています。

実際に購入してみると、医学書以外にも確定申告の書類や勉強会の資料などをスキャンにも使えて便利です

通読するタイプの本はスキャン前に通読しておくといいです。
自分自身の経験ですが、スキャンするより本で読んだ方が頭に入りやすいためです。
一方、調べもの用の本は読み終わっていなくてもスキャンが威力を発揮するでしょう。

おわりに

医学生、医師は医学参考書の購入をしないわけにはいきません。
200冊を超える医学書(データ含め)がある私たちの、医学書との付き合い方を示しました。
ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

初期研修医や内科診療に携わる若手医師、医療従事者への日々の診療・生活の手助けになるような発信をします。
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