【初期研修医向け】内科研修のおすすめ参考書【各領域1冊ずつ厳選】

【初期研修医向け】内科研修のおすすめ参考書【各領域1冊ずつ厳選】

この記事では内科医の筆者が、初期研修医におすすめの内科研修の参考書を紹介します。
各領域について厳選して1冊ずつ紹介しています。1冊では不十分というときは診療科ごとの紹介ページをご覧ください。

これは、200冊超の医学書を自宅に保有する内科医夫婦(血液専門医・リウマチ専門医)によるレビューです。
2人とも市中病院・大学病院で初期研修・後期研修を経験し、現在も研修医指導をしています。
若手医師がどんな疑問点を持って臨床をしているか、それを解決する本はどれかを理解したつもりで書きました。
不明点などあれば遠慮なくご連絡ください。よろしくお願いします。

目次

この記事で紹介する参考書

この記事で紹介するのは下記の領域です。

  1. 内科全般:内科レジデントの鉄則
  2. 循環器内科:レジデントのための循環器教室
  3. 呼吸器内科:レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
  4. 消化器内科:極論で語る消化器内科
  5. 腎臓内科:レジデントのための腎臓教室
  6. 糖尿病内分泌内科:レジデントのための 糖尿病・代謝・内分泌内科 ポケットブック
  7. リウマチ膠原病内科:膠原病診療ノート
  8. 血液内科:血液病レジデントマニュアル
  9. 神経内科:神経診察の診かた・考えかた
  10. 感染症内科:感染症プラチナマニュアル
  11. 内科救急:動きながら考える!内科救急診療のロジック

内科全般(病棟)

内科レジデントの鉄則

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本書は内科診療(病棟の緊急コール・入院中の指示、緊急入院)での疑問をこたえてくれる本です。
非常に有名かと思いますが、おすすめなので紹介します。
聖路加国際病院内科チーフレジデントの先生方が書いており、初期研修医がどんなことで困るかというのをよくわかっています。

実際に病棟で働き始めてみて、病棟から呼ばれたときの対応で困ることは多いです。発熱、酸素化低下、腹痛、低血糖など病棟からのコールに対して、初期対応(研修医でどこまでできればよいか)が示されています。

全初期研修医必携の一冊と思います。

循環器内科

レジデントのための循環器教室

循環器内科の一冊はレジデントのための循環器教室です。

本書は急性冠症候群、不整脈、心不全といった循環器診療の基本となる疾患について、症例ベースで解説しています。利尿剤の使い方も詳しく載っています。

ローテーションでは心エコーやCAGの見学の機会が多いと思いますが、本書では実際の動画が見られるので予習復習したいときにおすすめです。

呼吸器内科

レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室

呼吸器内科は長尾大志先生のレジデントのためのやさしイイ呼吸器教室をお勧めします。
カバー範囲は幅広く、主要兆候、検査、画像診断、治療、呼吸器疾患各論(閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺炎)を扱っています。

内科医夫婦(夫)

参考画像も多く、おすすめです。

消化器内科

極論で語る消化器内科

消化器内科はレジデントマニュアルなどが少し使いづらく、いわゆる初期研修医向けのおすすめ参考書が少ない印象です。そのなかで、本書は研修医から一般内科医まで幅広く使える、消化器内科の臨床の疑問をクリアカットに説明した本で、どれか一冊であればこの本を薦めます。

そのほか消化器内科は大学病院など規模が大きい病院では、炎症性腸疾患、がん、肝胆膵疾患などチームに分かれていることも多いため、研修内容がひとにより異なることもよくあるため、追加で領域ごとに勉強する必要がありそうです。

腎臓内科

レジデントのための腎臓教室

腎臓内科の一冊は、レジデントのための腎臓教室 です。

腎臓内科の研修では初期研修医で学ぶべき電解質や輸液に関する内容が学べ、(ローテーション順などが選択ができるのであれば)早めにローテートできるとよいでしょう。
腎臓内科領域の病態生理、疾患毎の解説、臨床でのCKDの管理まで広くカバーしているため、おすすめの一冊になります。

糖尿病内分泌内科

レジデントのための 糖尿病・代謝・内分泌内科 ポケットブック

糖尿病内分泌内科の一冊は レジデントのための 糖尿病・代謝・内分泌内科 ポケットブック です。

本書は糖尿病だけでなく代謝内分泌の領域も書かれており、内分泌疾患を診療することがある研修病院でも活用できます。

糖尿病だけでよければ、ここが知りたい! 糖尿病診療ハンドブックもおすすめです。

血液内科

血液病レジデントマニュアル

血液内科のおすすめ一冊は血液病レジデントマニュアルです。
著者は無料統計ソフトEZRの開発などで有名な血液内科医の神田善伸先生です。

このレジデントマニュアルシリーズは各科出版されていますが、その中で血液内科のレジデントマニュアルは(血液内科医の視点から見ても)とてもよくできており、血液内科志望でない研修医の先生が血液内科をローテートする際は正直これだけで足りてしまうでしょう。

内科医夫婦(夫)

気持ちとしてはもっと勉強してほしいところではありますが…(笑)

リウマチ膠原病内科

膠原病診療ノート

本書は膠原病診療のエキスパートである三森昭夫先生による膠原病診療のバイブル的な本です。
リウマチ膠原病疾患の各論の勉強をする前に、疾患単位を超えた膠原病診療の基本やステロイドの使い方について、著者の診療経験+エビデンスをもとに学べます。専門医取得後も活用している若手の先生も多いです。

内科医夫婦(妻)

重めの辞書のような本ですが、第4版から電子版がついています。

神経内科

神経症状の診かた・考えかた

神経内科は、神経症状の診かた・考えかた です。
文字が多くてボリュームもあるのでとっつきやすさはあまりありませんが、神経診察の技法など神経内科研修で重要な内容が網羅されており、まずはこの一冊かと思います。

2023年3月に第3版が出ました

感染症

感染症プラチナマニュアル

感染症領域の一冊は、感染症プラチナマニュアルです。

内科志望の先生は、感染症診療のロジック(A4)+感染症診療の手引き(ポケットサイズ)の組み合わせもおすすめです。

¥3,850 (2022/04/11 17:09時点 | Amazon調べ)

内科救急

動きながら考える!内科救急診療のロジック

内科救急領域の一冊は、動きながら考える!内科救急診療のロジックです。

本書を読めば、研修医が内科系当直に入った時の考え方、動き方がわかります。
症例ベース(シナリオ7つ)で解説してあります。

まとめ

研修医の頃は参考書を買いすぎてしまう傾向にあります。
今回は内科領域毎にまずはこの一冊、という視点でまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

初期研修医や内科診療に携わる若手医師、医療従事者への日々の診療・生活の手助けになるような発信をします。
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