この記事では訪問診療・地域医療に携わる若手の先生におすすめの参考書を紹介します。
この記事で紹介する参考書
この記事で紹介するのは下記の2冊です。
- 在宅診療コア ガイドブック
- 離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ
①在宅医療コア ガイドブック
この本の役立つ場面
- 高齢者診療が中心の施設で勤務するとき
- 訪問診療に初めて携わるとき
- 医療アクセスが悪い地域での診療に
この本でわかるようになること
- 高齢者の並存疾患に対する訪問診療での対応がわかる
- 訪問診療での診察技法や主治医意見書の書き方のポイントがわかる
本書は訪問診療で役立つ知識や、高齢者診療で役立つ知識が書かれた本です。
著者は、おひさまクリニック 荒隆紀 先生です。
本書は総論、各論に分かれており、訪問診療を始める際に有用なコンテンツが満載です。
総論では
- 身体診察 在宅で毎回ルーチンでどこを診るか
- コミュニケーション
- 主治医意見書をかくポイント
などがわかります。
各論では、おもに専門医紹介タイミングが書いてあり、そのほか、
- 高血圧・・・合併症に応じたfirst choiceがわかる
- 糖尿病・・・高齢者でも使える薬剤を中心にチョイス
- 認知症・・・抗認知症薬の開始タイミングと中止タイミングがわかる
- 骨粗しょう症・・・内科医が系統的に対応方法を学ぶ機会は少ない
といった高齢者のコモンディジーズを網羅されており、高齢者診療や検査が限られた環境での総合診療的な対応ができるようになります。
巻末で在宅でのコロナ患者の緩和ケア 感染対策 電話診療 についても扱っています。
②離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ
この本の役立つ場面
- 僻地診療(初期研修でのものも含む)、訪問診療を初めて行うときに
この本でわかるようになること
- 限られた医療資源(へき地、訪問診療)の状況での診療のポイントがわかる
本書は隠岐の島の本です。
著者は、隠岐島前病院の医師、白石吉彦先生、白石裕子先生です。
白石先生(ご夫婦)は20年以上にわたり離島診療を実践されており、医療資源の限られた環境での診療に特化した本書が出来上がっています。
最初に紹介した訪問診療コアガイドブックでは著者が内科出身の先生であることもあり主に内科疾患(高血圧、糖尿病、認知症)への対応が書かれていましたが、本書では整形疾患、皮膚科疾患などマイナー領域の内容が多めです。実際マイナー外科領域の初期対応は総合診療的な目線では重要なのだと思います。
粉瘤や巻き爪の治療などの知識は一般診療でも非専門医には役立つ知識かなと思います。
各分野の専門家が書かれた参考書は多数ありますが、非専門医でできるマイナー疾患への対応が書かれた本はなかなかなく、とても貴重です。
そのほか、へき地医療での超音波検査の使い方のポイントなどもわかります。
もし本書で外来・訪問診療での超音波検査に興味を持たれたら、超音波特化した類書も出版されているためこちらも参考にしてもいいかもしれません。
記事のまとめ
今回は2冊の医学書を紹介しました
- 在宅診療コア ガイドブック・・・訪問診療の入門書、高齢者診療のポイントもわかる
- 離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ・・・へき地医療で役立つノウハウが満載
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