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これは、200冊超の医学書を保有する内科医夫婦(血液専門医・リウマチ専門医)による書籍の電子化代行サービスのレビューです。今回、医学書の電子化代行を依頼しましたが、もちろん医学書以外にも利用できるサービスなので、自宅に大量の書籍があり保管に困っている方は、是非ご覧ください。
はじめに
当ブログでは医学書レビューを中心に記事を作成していますが、これらの医学関連書籍の保管管理がしばしば問題になります。
医学生や医師は、ついつい医学書を買いすぎてしまい、ありすぎて読み切れない(=積読)という状態が多発します。さらに医局に入局していたりすると人事異動のたびに引っ越しをしなければならず、大量の書籍を引っ越しの際に持っていくか、処分してしまうかなど扱いに困るケースもあります。
手元に置いておくスペースがなくなってゆく中で考えられる方法として医学書の自炊が挙げられます。
これまで私たちの方では自身で裁断⇒スキャンの方法をとっていましたが、このたび、自炊代行サービスを利用してみましたのでレビューします。
自炊について
自炊とは、書籍の電子化のことで、
- 本の裁断
- スキャン
- PDFなどの電子データ化
の手順で行います。代行サービスでは、この手順を代行してくれます。自炊のメリットには、以下のようなことが考えられます。
・検索性の向上:ファイル名を本のタイトルにしたり、後述するOCR処理を行ったりすることで検索しやすくなり、必要な情報へのアクセスが速くなります。
・省スペース:紙ベースでの管理の場合、物理的にどんどんたまっていき、もし家や職場内に保管しきれなくなったら、場合によっては貸倉庫を用意するなど外部にスペースを確保しなければなりません。しかし、電子化して保存容量を増やせば、データが増えても対応できます。保管場所として物理的なスペースを確保しなくて良いので、自宅も広々使えます。
・劣化防止:紙媒体では経年劣化で変色したり耐久性が落ちたりしてしまいます。
利用したサービスの概要
利用した会社名:スキャンピー(株式会社ラビットクリエイト)
利用した冊数:35冊
書籍の内容:医学関連書籍(文庫本サイズから辞書的なもの、雑誌まで)
利用したサービス:バリューパック(OCR化つきで210円/冊+税)
納期の選択:通常便(20-25日での納品)
依頼してからファイルをもらえるまでに実際にかかった期間:23日
料金:9723円(スキャンピーへの書籍送付料を含む)
今回利用したバリューパックについて
バリューパックとは、ページ数無制限、フルカラースキャン、OCR処理がついたPDF化、ファイルタイトルを書籍名+著者名にしてもらうことがセットになっているものです。
医学書はページ数が多いことが多いのと、調べものがメインになるためOCR処理をしておけば検索の際に便利だと思い、今回はバリューパックを選択しました。さらに追加料金を払えば、各電子書籍端末への最適化やJPG化のオプションもありますが私たちはPDFでみられれば十分だったので今回は利用しませんでした。
様々なオプション、コースが用意されていますが、バリューパックが個人的にはコスパが良いと思いました。
OCRとは
OCRとはOptical Character Recognition/Reader、光学的文字認識の略で、手書きや印刷された文字をスキャナーなどで読みとり、コンピュータが読み取れる文字コードに変換する技術です。自炊本の文脈では、OCR処理がされているPDFファイルだと単語を検索するときに役立ちます。
絵や写真が中心の本であれば必要ない技術かとは思いますが、字の多い医学書であればOCR処理はしておいて損はないかと思います。
依頼からデータ納品までの流れ
利用者側がやる手順を、依頼してからの納品までの流れで示します。
- 注文フォームからの依頼
- 書籍の発送
- 支払い
- 納品を待つ
注文フォームからの依頼
注文フォームから、利用するサービスを選び依頼します。
料金シミュレーター(https://scanb.jp/estimate)のページを使えば事前に料金がわかり便利です。
注文受付した旨を当日中にメールで連絡がもらえます。
実際の注文
【まずはご希望のサービスをご選択ください】
本の電子化
【本の配送方法をご選択下さい】
ご自宅から発送
【ご注文のプランをご選択下さい】
バリューパック231円均一(税込)
【個人情報】
お名前、メールアドレス、郵便番号、ご住所 の記入
【おおよそのご注文冊数】
21~100冊
【納期プランを選択ください】
通常便(25日) +0円
【お支払方法を選択ください】
PayPal決済(クレジットカード)
【PDFファイルの納品方法をご選択ください】
ダウンロード納品
【ご希望のオプションをご選択下さい】
※バリューパックを選択したため、フルカラースキャン、OCR処理が自動で付帯しました。
その他オプション:
・各電子書籍端末最適化
つけない
・JPG化オプション
つけない
書籍の発送
ヤマト運輸を利用しました。今回はヤマト運輸の最寄りの営業所に段ボールに入れて持ち込みました。
そのほか、ヤマト運輸に依頼して自宅まで受取サービスを利用することも可能です。東京(新宿駅)、大阪(本町駅)の近隣に住んでいる方は、実店舗に直接持ち込むことも可能のようです。発送後、スキャンピーへの到着日に料金計算、請求がきました。
支払い
今回はPayPal経由で支払いを行いました。
そのほか、三井住友銀行、楽天銀行も対応可能です。
納品を待つ
納品を待ちます。電子化作業後、PDF形式で納品された旨のメールがスキャンピーより届きました(支払いから23日後)。
受け取る方法については、今回はファイルのダウンロード納品にしましたが、ダウンロード納品の他に、追加料金を支払うことでDVD-ROM納品(880円)、USBメモリ納品:(1650円)も選択可能です。ファイルの保存期間についてはメールが届いてから30日であり比較的余裕はありますが、忘れないうちにダウンロードしたほうがいいでしょう。
使ってみた感想
良かった点
値段が安い
今回の例ですと、35冊を最寄りのヤマト運輸に持ち込みして発送したことで、ヤマト運輸の輸送代(1638円)+バリューパックのサービス代(35冊×210円+税で8085円)=9723円でした。自宅ですべてを完結させようとした場合はスキャナーと裁断機を購入しなければならず、大量の書籍を自炊しない限りもとはとれなさそうです。裁断機は相場として10000円~20000円程度、スキャナー 30000円程度と考えられます。バリューパックにしなければ80円/冊~であり、OCR処理が不要な書籍(コミックなど)であればさらに費用を抑えることも可能です。もちろん自分でやる場合は手間もかかりますし、きれいに裁断ができるかなどは実際自分でやってみないとわからないのでクオリティの保証もありません。
対応がはやかった、納期の遅延がなかった
通常便の納期目安は100冊以内であれば入金後から20-25日ということでしたが、今回実際には23日で届きました!それ以外にも請求書の連絡などのメールの連絡が迅速で好感が持てました。メールの問い合わせ対応は24時間対応しているとのことです。
注文が簡単
会員登録が不要でありすぐに使えます。いちばんはじめの申し込み画面もわかりやすく、特に混乱して時間がかかることなく申し込みができました。
PDFのクオリティが高い
納品されたPDFデータを確認しましたが、ページや文字のスキャン品質はとても良かったです。OCRについても確認する限り認識していました。OCRの認識は横書きだけでなく、縦書きにも対応していました。
データの保証期間が30日間である
他のサービスでは10日程度のものがおおく、一度にたくさんの自炊をお願いした場合に自分で確認するのが大変です。スキャンピーではその点はゆっくり確認することができると思いました。
納期保証制度がある
スキャンピーでは納期保証制度を導入しています。遅延日数ごとに、作業代金の割引があります。1~10日で作業料金の20%、11~30日で作業料金の30%、31日以上で作業料金の50%の割引が得られます。
ファイル名変更が便利
「大量の書籍を、データ化して整理するのは意外と面倒くさいものです。スキャンピーは本の依頼の場合ファイル名が無料でつくので、本のタイトル+著者名にしてもらえていて、ファイルの整理にとても役立ちました。
これをきちんとやらないと、のちのち探すのが大変です。
キャンペーンの利用ができる
今回は利用していませんが、SNSへのリツイートをすることで3冊無料となるキャンペーンをやっているようです。
実店舗があり安心できる
大切な自分の本を任せるので、安心できる会社、店舗であることは重要だと思います。今回利用したスキャンピーは、メール等での対応についても特に不審に思うことはなく、信頼できる印象でした。
持ち運びが楽になった、自宅のスペースが有効活用できるようになった
スキャンピーのメリットというより自炊のメリットではありますが、医学書は大型の本が多く、特に我が家は大量の医学書があり、頻繁に購入するため持ち運びや保管が大変でしたが、今回スキャンピーで電子化したことで解消できました。
画像データも見やすい
今回医学書がメインの依頼であり文字がメインではありましたが、レントゲンや病理写真などの画像も一部含まれていました。画像のコントラストも調整されており、見やすかったです。
注意すべき点
繰り返し使うときに不便かも
しいて言えば繰り返し使用したい場合は毎回注文する必要があるのでデメリットになり得るかもしれません。
裁断後の書籍の扱い
これは後述する著作権絡みで仕方のないことですが、裁断後はスキャンピーにて処分され、手元には戻って来ません。裁断後の書籍を残したい方はスキャンピーの利用はお勧めできません。
裁断後の書籍が手元に欲しい場合はこちらで示した方法がおすすめです。
対応可能サイズが決まっている
スキャンピーでは対応可能サイズがA3までなので、それ以上の書籍の場合は他のサービスを利用する必要があります。A3までであれば基本的にはほとんどの書籍が含まれると思われるのでそこまで気にしなくていいかもしれません。
著作権について
裁断やスキャンの作業工程においては著作権に関する問題が付きまといます。
スキャンピーでは、公式HPで著作権の方針について示していますので、安心できます
(https://scanb.jp/tyosakken)。利用者側が最低限注意すべき点としては、あくまで個人の範囲で利用すべきということです。著作権と関連して、スキャン対応不可の書籍というのが決まっており、代行を依頼する前に必ず確認しましょう(https://scanb.jp/noscanlist)。
その他のサービスについて
今回私達は利用しませんでしたが、
・Amazonなど、オンライン書店で購入される本を直接PDF化
・ 書類・名刺・ハガキのPDF化
といったサービスも行っているようです。
まとめ
今回業者さんによる書籍の電子化代行サービスを利用してみました。
我が家にはScanSnap iX1600があり、裁断を裁断代行業者さんに依頼して、自身でスキャンするという方法をこれまでとってきましたが、裁断に際しては同様に送付の手間がかかることや、スキャン自体にもそれなりに時間を取られてしまうので、今回書籍の電子化代行サービスしてみて、出来上がりの品質や手間、費用の面から総じておすすめかなと思いました。SNSでの評判も軒並みよさそうであり、今回利用したスキャンピーはおすすめです。
・OCR化込みでコストを抑えたい場合
・実店舗で持ち込みが可能であり安心できるところにお願いしたい場合
・たくさんの本を一度に電子化したい場合
などの場合にスキャンピーは良い選択肢なのではないかと思いました。
このレビューが参考になれば幸いです。
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