【初期研修医】研修医のための一般外科のおすすめ参考書2冊

【初期研修医】研修医のための一般外科のおすすめ参考書2冊

この記事では初期研修医におすすめの一般外科をローテートするときに役立つ参考書を2冊紹介します。

これは、200冊超の医学書を自宅に保有する内科医夫婦(血液専門医・リウマチ専門医)によるレビューです。
2人とも市中病院・大学病院で初期研修・後期研修を経験し、現在も研修医指導をしています。
若手医師がどんな疑問点を持って臨床をしているか、それを解決する本はどれかを理解したつもりで書きました。
不明点などあれば遠慮なくご連絡ください。よろしくお願いします。

目次

この記事で紹介する2冊

この記事で紹介するのは下記の2冊です。内科医に進んだ筆者の視点で紹介しており、主に外科以外の診療科に進む予定の研修医の先生向けの本を紹介します。

  1. レジデントノート増刊_外科の基本_手術前後の患者さんを診る
  2. ブラッシュアップ急性腹症

①レジデントノート増刊 外科の基本 手術前後の患者さんを診る

この本の役立つ場面

  • 初期研修で一般外科(消化器外科)をローテートするとき
  • 外科領域で学ぶことの全体像を把握したいとき

この本でわかるようになること

  • 一般外科をローテートする際に必要な知識が広く学べる
  • 手術や手技の際に使う器具が写真付きでわかる

本書は初期研修で一般外科をまわるときに必携の本です。

著者は京都医療センターの畑啓昭先生です。

一般外科研修では施設にもよりますが研修医が最もかかわるのは周術期管理だと思います。本書では周術期管理に自信がつくように

  • 周術期の血糖コントロール
  • ステロイドカバー
  • 抗血小板薬、抗凝固薬の中断

など実戦で役立つ知識が広く浅く紹介されています。

外科専門コースなどでない限り内科ローテーションより期間が短いことの多い外科研修ですが、ローテート前に目を通しておけば、外科研修の雰囲気がつかめることでしょう。

巻頭にカラー写真で手技に使う器具や術野の様子、縫合手順のイラストが載っています。

内科医夫婦(夫)

自分は解剖が苦手だったので、肝臓の区域を覚えましょう というミニレクチャーがとても役立ちました。
腹部CTでの肝臓の解剖の理解が深まります。

②ブラッシュアップ急性腹症

この本の役立つ場面

  • 研修医で一般外科をローテーションするとき
  • 研修医で外科当直のおともに
  • 救急・消化器内科の勉強にも役立つ

この本でわかるようになること

  • 腹痛を来す疾患を部位や分野別に学べる

本書は腹痛の鑑別診断が学べる本です。

著者は、東京ベイ・浦安市川医療センター外科の窪田忠夫先生です。

腹痛の診療は鑑別すべき疾患が多くシンプルながら非常に難しいものです。
本書では腹痛診療を外科の先生の視点から書かれています。
外科医の先生の経験とエビデンスをもとに腹痛の診断学をクリアカットに説明されています。

腹痛を来す疾患について、画像診断だけでなく、各疾患の疾患概念や対応などまで書かれています。

腹痛は外科当直、夜間救急外来で必ず遭遇するため当直のおともにも使えます。

見た目はコンパクトですが通読するには内容が濃いため通読するのは大変です。

今回は外科向けとして紹介しましたが、将来内科に進む方にこそ読んでほしい腹痛の診断学を深く取り上げた名著です。そのほか、消化器内科の研修でも役立ちます。

内科医夫婦(夫)

自分が買った時(2015年)では第一版でしたが、2018年に第二版が出版されたようです。

記事のまとめ

今回は2冊の医学書を紹介しました

  1. レジデントノート増刊 外科の基本 手術前後の患者さんを診る・・・大変なイメージがある外科ローテーションを乗り切るのに最適の一冊
  2. ブラッシュアップ急性腹症・・・初期研修修了後も役立つ知識が満載の腹痛診療のバイブル
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この記事を書いた人

初期研修医や内科診療に携わる若手医師、医療従事者への日々の診療・生活の手助けになるような発信をします。
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