【初期研修医】研修医におすすめの胸部レントゲンの参考書3冊

【初期研修医】研修医におすすめの胸部レントゲンの参考書3冊

この記事では初期研修医におすすめの胸部レントゲン読影ができるようになる参考書を3冊紹介します。

これは、200冊超の医学書を自宅に保有する内科医夫婦(血液専門医・リウマチ専門医)によるレビューです。
2人とも市中病院・大学病院で初期研修・後期研修を経験し、現在も研修医指導をしています。
若手医師がどんな疑問点を持って臨床をしているか、それを解決する本はどれかを理解したつもりで書きました。
不明点などあれば遠慮なくご連絡ください。よろしくお願いします。

目次

この記事で紹介する3冊

この記事で紹介するのは下記の3冊です。

  1. 胸部X線診断に自信がつく本
  2. レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室
  3. ポータブル胸部X線写真の読み方

胸部レントゲンは基本的に初診の方や入院時のルーチン検査としている病院が多く、最も目にする画像所見です。初期研修医で呼吸器内科をローテートするときはもちろん、外科の術前ルーチン検査、救急外来など読影する機会は必ずあります。胸部レントゲン読影は初期研修修了後も日常診療や健診バイトなどの場面で使う必須スキルです。
今回紹介する本はレントゲンの初学者から学びなおしたい先生まで幅広く使える本です。

①胸部X線診断に自信がつく本

この本の役立つ場面

  • レントゲン読影の勉強の初めに
  • 胸部レントゲン読影が苦手意識がある人へ

この本でわかるようになること

  • 胸部レントゲンの原理、胸部解剖から読影の手順まで一連の流れがわかる
  • 胸部レントゲンの正常所見、異常所見がわかる

本書は胸部レントゲンについて学ぶときに最初に読む本としておすすめの本です。

著者は、元天理よろづ相談所病院総合診療教育部部長、分院院長の郡義明先生です。呼吸器内科医として10数年同院で若手医師へレントゲン読影を指導されてきた実績がある先生の書かれています。

本の前半では、撮影の原理、依頼方法や条件の確認、読影の手順という基本的な読影の流れが書かれており、後半では各レントゲン所見について考えられる病態の読み解き方を解説してくれています。

A5サイズで読みやすく、全200ページ程度と比較的薄いので休日一日あれば通読できます。

内科医夫婦(夫)

各章ごとに”ゴール”が設定されており、理解度のチェックに役立ちます。

②レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室

この本の役立つ場面

  • 胸部レントゲン、CTの読影の基本を学びたいとき
  • 初期研修で呼吸器内科をまわるとき

この本でわかるようになること

  • 胸部レントゲン、CTの異常所見の原理がわかる

本書はレジデントのためのやさしイイ胸部画像教室の本です。

著者は、島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター センター長/准教授の長尾大志先生です。

著者の長尾先生は

  • 著者の長尾先生はこの本のほかにも
  • やさしイイ呼吸器教室
  • やさしイイ血ガス・呼吸管理
  • 呼吸器内科ただいま診断中!

など呼吸器内科領域を中心に名著が多数あります。

本書はこの異常所見が見られるのはなぜか、どういう状態なのか、正常所見と比べてどうか、という原理・理屈から教えてくれるので、丸暗記に頼らない胸部画像の読影が身につきます。

レントゲン、CTの実際の写真はもちろん、シェーマを用いた説明がとても分かりやすいです。

  • 自分が買った時(2015年)では第一版でしたが、2018年に第二版が出版されたようです。
  • また100症例で学ぶ実践編(2021年)も出版されました。(こちらの内容は未チェックです。。)

③本当は教わりたかった ポータブル胸部X線写真の読み方

この本の役立つ場面

  • 救急外来やICUで撮影室でレントゲンが撮れずポータブルレントゲンを撮るとき

この本でわかるようになること

  • ポータブル胸部レントゲンの読影手順、正常所見、異常所見
  • ポータブル腹部レントゲンにおける腸管ガスの読み方

本書はポータブルレントゲン読影に特化した本です。

著・編集は、松本純一先生(聖マリアンナ医科大学救急医学救急放射線部門)です。

ポータブルレントゲンの読影を系統的に学ぶ機会はほぼないなか、救急外来やICUを中心にポータブルでの撮影が多いため、ポータブルレントゲンでの所見の取り方を知っておくことは有益です。

  • 1章:読影手順、正常所見の理解
  • 2章:カテーテル、チューブのカテ先確認
  • 3章:胸水、腹水などの水の動き
  • 4章:肺水腫
  • 5章:肺炎、無気肺
  • 6章:気胸
  • 7章:ARDS

といった重症患者で使うことの多いポータブルレントゲンでの読影・活用方法がわかる内容になっています。

コラムでは外傷の診方、腹部レントゲンの読み方という他書では学べない内容も載っています!

ポータブルレントゲンに関してここまで詳しく解説した本は貴重であり、おすすめです。

記事のまとめ

今回は3冊の医学書を紹介しました

  1. 胸部X線診断に自信がつく本・・・まずはこの一冊、レントゲンの基本がわかる
  2. レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室・・・胸部レントゲン、CTの所見が原理から理解できる。
  3. ポータブル胸部X線写真の読み方・・・意外と使うことの多いポータブル撮影、撮影室での画像との違いを理解するために重要
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この記事を書いた人

初期研修医や内科診療に携わる若手医師、医療従事者への日々の診療・生活の手助けになるような発信をします。
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